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1-2. 増資系スペル vs 妨害系スペル

リンカネーションにより毎ターンスペルカードを使用できるとなると、今度はどんなスペルを入れたらよいのかが問題になります。ゲーム中には直接的効果を示すものから、間接的な補助スペルまでさまざまなカードが存在しますから一概に語ることはできませんが、ここでは2種にスペルを分類してみることにしましょう。

● 増資系スペル : 自己を高めてくれるスペル 例)マナ、ミスルト、バリア etc.
● 妨害系スペル : 他者を妨害するスペル 例)カタストロフィ、メテオ、ラスト etc.

極論すればほとんどのスペルは ”自己を高める”目的か ”他者を妨害する”目的で使用されます。
それぞれを増資系スペル、妨害系スペルと定義しそれぞれの利点・欠点を考えてみましょう。(ただし、スペルによっては増資系としても妨害系としても使用できるものがあるので、その場合はそれぞれの使用法自体を吟味して、考えてもらいうと良いでしょう。)

なお、個々を論じる前によく誤解されている傾向があるので、そのことに一言触れておきたいと思います。その傾向とは、メテオやカタストロフィなどの妨害系スペルは強力なスペルだが、ホーリーワードXなどの自己を高めるスペルはあまり強いスペルではない(実際には非常に強力なカードである)、という風に思い込んでしまう傾向のことです。そのために、さまざまな論説においても強力妨害系スペルがクローズアップされやすい傾向にあるのではないでしょうか?本章ではそのような考え方に対してアンチテーゼを示し、一慮を促したいと思っています。



<増資系スペル>

増資系スペルのもっとも分かりやすい例としてマナを用いて説明してみましょう。マナは周回数に応じてその効果が違いますが、ここでは平均期待値として200Gの効果があるとし計算することにしましょう。

A B C D 場の水準
+200G ±0G ±0G ±0G +50G

ここで、「場の水準」というのは、全てのセプターの総魔力の平均を意味します。マナを唱えると、全員で200G魔力が増加するわけですから、4人のセプターにその増加分を割り振ると50Gずつ増加したことになります。このゲームでトップを取るためには、この場の水準に対して+になることを目標にすればよいわけです。そのため、どのような行動をカルドセプトでとった場合も、この場の水準に対して、どのセプターがどのように変動したかを意識する必要があります。自分のとった行動によっては、何もしていない他のセプターがこの水準に対して+になっていることもあるので、注意が必要です。では、マナの場合、各セプターが場の水準に対してどのように推移したのか見てみましょう。これを計算すると、次の表のようになります。

A B C D
+150G ー50G ー50G ー50G

この結果を見て分かるように、増資系スペルというのは下のように説明できます。

⇒ 増資系スペルは場の水準より自己だけを+にするスペルである



<妨害系スペル>

同じように妨害系スペルを計算してみましょう。ここではなるべくモデルを簡潔化するためにイビルブラストを例にあげることにしましょう。セプターAの4連鎖(レベル3、レベル2×2、レベル1)のレベル3地形にいるクリーチャーをセプターBが倒したと仮定して計算してみると下のようになります。

A B C D 場の水準
ー900G ー190G ±0G ±0G ー272.5G

(セプターBの-190Gはスペル使用に必要なコストです。)
先ほどと同様に、場の水準に対する推移を計算して表にまとめると次のようになります。

A B C D
ー627.5G +82.5G +272.5G +272.5G

上記の表を見れば分かるように、一番得をしているのは何もしなかったC、Dの二人のセプターであることが分かります。Bのセプターは活躍しましたが(実戦でこのコンボがここまで効果的に成功することは同盟戦でもない限りかなり難しいと思われるので、大活躍といっていいでしょう)、この2ラウンドの自分のターンの総計の順位は結局3位ということになります。そして、一番の痛手を被ったのはもちろんセプターAです。

レベル1地形の4連鎖にいるクリーチャーを倒した際などは、下のように結果はさらにひどいものとなります。

A B C D 場の水準
ー260G ー120G ±0G ±0G ー95G

A B C D
ー165G ー25G +95G +95G

見事に敵クリーチャーを倒したにも関わらず気づけば自分まで損をしてしまっています。
このように妨害スペルとは下のように説明できると思われます。

⇒ 妨害系スペルは一人のセプターを大幅に落とすことで、他の二人の
  セプターを利するスペルである。(自分はその行動で3番目の得をする)



さて、このような結論を見ると一見、妨害系スペルは必要ではなく増資系スペルのみでブックを組んだ方が良いようにも見えます。このことはプレイ方法にも当てはめることができて、自分のクリーチャーをより効率よく配置することだけに専念し、他者への妨害となる行動は行わなくても良いと結論づけられるかもしれません。しかしこれは直接的なアドバンテージを妨害に求めてしまうからであり、妨害の本当の効用は今述べたような考え方だけで語られるものではありません。その理由について述べてみようと思います。

まず、増資という行動はターンが進むにつれ加速度的に資産が増えるようになっています。分かりやすく言えば、5000Gという目標へ接近する速度は 1000G→2000G→3000G→4000G→5000Gではなく、100G→500G→2000G→5000Gと加速度的になっています。増資行動を積み重ねていくことで順番に次のステップへと進み、ギアが入るようにステップアップしていくわけです。

この骨格で考えると、終盤のメテオなどによる直接的なマナへの攻撃より、ギアがトップに入るのを阻害する(中盤でクリーチャー数で他3人より明らかに遅れを取らせる etc.)方が真に増資行動を妨害していることが分かります。以上のことから、妨害の真の効用は下記のようなものであると言えるのではないでしょうか?

⇒ 妨害の真の意義は直接的にダメージを与えることではなく、他者の
  加速度的に効率よくなるという骨格・システム構築を揺さぶることである



次に増資系スペルや自己の増資効率のみを考えてプレーをし続けることを考えてみましょう。このようなプレイヤーに関する大きな問題点は、さいころの目や偶発的要素により他のプレイヤーより遅れた時に、自分と同様に増資効率のみを考えてプレイしている他プレイヤーを、逆転するきっかけがないところにあります。

上で述べたように、増資行動は加速度的に進むため一度遅れを取れば、その差は加速度的にひろがってしまうことにもつながり得ます。以前に通行料に関する考察をしたように、これらの差はそのまま基本的な増資速度にも影響を与え、結果として超えることの出来ない差にまで広がっていってしまいます。

これに対して妨害カードが存在すればこれらの難局を乗り切るきっかけを作ることが出来ます。例えば、序盤〜中盤に少し差がつきかけても、そこで自分より偶然うまく増資できているプレイヤーの骨格を破壊することで自分の方が先に次のギアにステップアップできるようなきっかけを作り、実際に開いている差を縮めたり逆転したりすることができます。また、終盤にも圧倒的な1位に直接的な妨害をすることで自分もトップギアに入るまでゲーム終了に待ったをかけることができます。

逆説的にいうと、偶然自分の増資システムが他プレイヤーよりも先んじて構築されている状況下では妨害カードに意義はなく、自分の増資行動をさらに付き進め続ければよいわけです。このように妨害スペルというものはそれ自体が主役となるカードではなく、増資行動を競うにあたって自分が他3人のプレイヤーに遅れを取った場合に、その遅れを補ったり追いついたりするための補助的カードとも言えるのではないでしょうか?

⇒ 増資系スペルはゲーム目的に応じた根幹となるスペルである。
  妨害系スペルはゲーム内で他者に先んじて増資骨格を作り上げるため
  の主導権の取り合いに必要なスペルである。


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