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私立探偵レイモンド / 作:東篤志 / 発表年:1993 /
/ 掲載雑誌: 増刊少年サンデー(スーパー)/巻数:全?巻
/ 掲載時期:1992年1月増刊号〜1994年5月増刊号/
【本作品とモグラの出会い】
 少年サンデー系の漫画を追ったことがある方なら、一度は目にしたことがある作品でしょう。今でも古本屋でよく見かけます。サンデーらしくないストーリーを予測させる表紙のためか実際に手に取られることは少なく、内容を知らない人が多いようです。モグラはこの作品を古本屋で初めて読んだ時に、その雰囲気・セリフなどに惚れ込んで購入しました。
【作者紹介】
 本作品がデビュー作であり、同時に現段階では最後の作品となっている東篤志先生。同人関係に詳しくないモグラとしては2002年に少年チャンピオンにおいて「悪夢でゴメン!」という読み切り漫画を描いた時に出会ったきりで、その後の消息を知りません。いい味を持つ作者であるがゆえに是非もう一度ファンの前に作品を送りだして欲しいものです。 
 本作品が連載されていた増刊少年サンデーは、「キャットルーキー」ですでに触れたように、少年サンデーの増刊号である。看板漫画である「キャットルーキー」の他は、基本的に新人コミックと少年サンデーで連載されている漫画の外伝などにより編集されているが、少年誌で描くには遅筆であったり、月刊ペースを好む先生方による名作が密かに生み出されいる雑誌でもあり、少年サンデー系漫画のファンなら目を通していることだろう。
 
ますます日本は豊かになった。こないだ21世紀に入って、政治家なんかは口をそろえていう。
 だが、そんなふうには思えない。どっちかといえば・・・ 世の中、どうかしちまってる。

 
 本作品はこんなフレーズと共に始まるハードボイルド色強い、少しもの暗い雰囲気を押し出そうとした作品である。ハードボイルド系の漫画といってもアクションシーンに見せ場があるわけではない。気障なセリフが読んでいてむずがゆくないほど、ストーリーの中で自然と使い回されている。数少ない登場人物にはしっかりとキャラ付けがなされており、心情描写も少年漫画とは思えないほど細やかである。”本”と定義するほど重厚なストーリーを持たせている訳ではないが、少年漫画としてはやはり異色であり、どちらかといえば青年誌向けの内容である。
 
 しかしながら一方で、当ページの表紙の絵を見ても分かる通り絵は少年誌向けであるし、主人公の性格付けも少年誌向けであることが、この作品の最大の特徴であろう。1作品の中で、青年誌向けと少年誌向けという相反する2つのベクトルを上手く融合させたことが、この作品を一読の価値あるものにしていると思われる。
 
 また、ハードボイルドというジャンルは70年代に全盛期を迎え、戦後の日本がバブル期に向かうにつれ勢いがかげっていったジャンルであった。(ただし、ミステリールネッサンス第三期以降に再び盛り返すようになり「不夜城」で一気に再燃することとなる)そういう意味で当時も・・・そして今読み直してもレトロな感じがして楽しめる作品である。少し昔を思い出しながらレトロな気分に浸かりたい読者にとって本作品はぴったりではないだろうか?

注)上記の文章は赤字の部分にカーソルを合わせると簡単な解説が表示されます。