陽だまりのクレヨン
この物語の美術とは、子供のもの。
いまだ世界を知らず、未知を空想で満たす頃の感性。
子供のときにだけ持つことの許される表現。
それは大人には分からない、魔法。
怪獣を描くまー君。
ダンゴムシを描く男の子、祐。
黒髪を伸ばすちょっとひねた女の子、真深。
魔女を名乗る天使のようなおさげの少女、砂夜。
彼らの描くファンタジーをお楽しみください。
自分が幼い頃にどんなことを感じ考えていたかなんて思い出せません。
でも完全に忘れてしまった訳ではないと思いたくなります。
それは恥ずかしくて突飛なものだろうけれど、でも素敵だったに違いない。
そんな風に思わされてしまいます。
そんな雰囲気がいいのです。
お世辞にも分りやすいとはいえない混沌とした作品ですが、
この雰囲気が続く限り私はこの作品を買い続けるでしょう。
無知なはずの子供だけに許された考え。
それは非力なはずの子供だけに許された力。
まだ世界観のさわりだけといった感触ですが、この先どう続いていくのか楽しみです。