日本で人気のドイツボードゲームの中で最もコンポーネントの日本語訳化が求められているゲームの1つが、このエキスペディションだろう。 ゲーム内容は、探検隊に指示を出して名所旧跡を巡ろう、という単純明快なもの。だが、探検家を指示するオーナーは自分以外にも複数居て、しかも巡りたい名所旧跡は各オーナー別々で世界中に散らばっているというのだから、さぁ大変。ちょっと目を放した隙に探検隊は他のオーナーの意向であらぬ方向へ…ということも。 世界各国の名所旧跡を巡る探検隊の足取りがボード上に残っていくため、ゲームが進むにつれ世界を巡る旅をしている、という実感が沸いて来るところが素晴らしい。ゲーム的には自分の意向よりも他のオーナーの意向で探検隊の方向性が決まるため、なかなか自分の意思を反映しづらいところもあるが、ここぞという時には探検隊の進む方向性をガラリと変えることもできるので、思い切り良く探検を楽しむのがお勧めだ。 名所旧跡はカードになっており、世界各国からは Grand Canyon,Roma,Stonehenge,Angkor,Manaus,Rapa Nuiなど様々な場所が、Japan Asia からは Fuji-San が登場している。各カードには美麗な写真と共に各地の詳しい解説が載っていて、ちょっとした観光気分も味わえる・・・のだが、惜しいことに解説が外国語。ゲームを遊ぶには解説は全く意味はないものの、せっかくだから読んでみたいのが人情というもの。ぜひとも日本語化して欲しいものだ。 分かりやすい探検隊の動かし方とダイナミックなゲーム展開、そして美麗な写真に彩られた世界地図が書かれたボードは性別を問わず幅広い年齢層に受け入れられるため、ゲーム初心者にも安心してお勧めできるゲームだ。世界地図から目当ての名所旧跡を探すのは少し骨だが、地球一周観光旅行の下調べと思って、楽しんで遊んでみて欲しい。